平成30年度 市立恵那病院 病院指標

＜解説＞
当院の患者様は高齢者が多いため、内科入院では誤嚥性肺炎や心不全といった高齢者がかかりやすい疾患が上位に入っています。
その他では、2位に大腸ポリープ、4位に尿路感染症や腎盂腎炎などの尿路系の感染症、5位に脱水症といった疾患がランクインしています。
高齢者になると治療目的の疾患の他に基礎疾患がある場合が多く、入院中に基礎疾患の治療も行うため入院日数が全国平均より長くなりやすい傾向にあります。

＜解説＞
小児科入院では肺炎が最も多くなりました。小さなお子さんは大人に比べると免疫力が低く、風邪などから肺炎に重症化してしまう場合があるため、抗生剤を投与して治療します。
2位には新生児の疾患が入りました。このDPCでは新生児黄疸や呼吸窮迫症候群等の病名による入院があげられます。
他には、気管支炎、上気道炎といった呼吸器の疾患や、下痢やおう吐や熱中症に対して補液治療を行った脱水症での入院が多くなっています。

＜解説＞
頭部外傷が上位となっています。頭部外傷は、受傷直後は何事もなくても、遅れて頭痛やめまい等の症状があらわれる場合があります。このような場合に対応するために当院では、頭部外傷の患者様に経過観察入院をお勧めしています。手術なしの場合は約3日間の入院、傷を縫合した場合でも約5日間の入院となっています。
2位には鼠径ヘルニア（脱腸）に対して手術を行った場合の入院が入りました。多くの場合、脱出してしまった腸を元に戻し、人工の繊維布を使って固定します。
4位には手術やイレウスチューブと呼ばれる管を使用しない腸閉塞が入っています。この場合、絶飲食などで保存的に治療をします。　
5位には結腸悪性腫瘍に対して、結腸切除術を行い中心静脈注射や人工呼吸等の処置を行った入院が入りました。

・患者数が10件未満の場合"-"が表示されます。

＜解説＞
股関節大腿近位（足の付け根）骨折の人工骨頭挿入術の件数が最も多く、次いで胸椎・腰椎の圧迫骨折の件数が多くなっています。年を重ねると骨がもろくなり、骨折しやすくなります。実際、当院の股関節大腿近位骨折、胸椎・腰椎の圧迫骨折の平均年齢はどちらも80歳以上と高齢です。
当院は回復期リハビリテーション病棟を有しており、お家に帰っても受傷前の生活が送れるようにリハビリを行っているため、入院日数が全国平均より長くなっています。

・患者数が10件未満の場合"-"が表示されます。
・正常分娩はDPC対象外のため当集計に含まれていません。

＜解説＞
当院は、恵那市内における分娩施設の開設を求める市民の声を受け、平成29年度より産婦人科を開設しました。
1位には前駆陣痛による入院が入りました。出産予定日が近くなった場合の前駆陣痛について経過観察入院をしていただく場合があります。

・患者数が10件未満の場合"-"が表示されます。

＜解説＞
内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術が最も多くなっています。内視鏡を用いて大腸内のポリープを切除する手術です。切除したポリープを検査し早期がんの発見・予防に役立てます。当院では決められたスケジュール表（クリニカルパス）に沿って、１泊２日の経過観察入院をしていただいております。
2位は下部消化管ステント留置術です。大腸癌が大きくなると腸管が狭くなり便やガス等の流れが阻害され、腹痛や嘔吐などの症状が出ます。ステントと呼ばれる筒状の金網を留置することによって腸管を押し広げ、症状を改善させる手術です。

＜解説＞
鼠径ヘルニア手術が最も多くなっています。成人だけでなく、小児の手術例もあります。ほとんどが予定手術の為、入院当日又は入院翌日には手術が行われます。
2位には結腸癌に対する癌の切除術が入っています。昨年は5位でしたが、わずかな件数の差で2位となりました。
3位には抗がん剤を投与する機会が多い方などに対して行う、抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置が入りました。
4位には腹腔鏡を使った胆嚢摘出術が入りました。腹腔鏡手術は開腹手術と比べると切開範囲が小さいため、より短い期間での退院が可能です。
同じく4位の虫垂切除術は、緊急手術の場合が多いため術前日数が短くなっています。

・患者数が10件未満の場合"-"が表示されます。

＜解説＞
主に大腿骨頚部骨折に対する手術が上位２つを占めており、平均年齢からもわかるように高齢者が多くなっています。高齢者の大腿骨頚部骨折でも、手術を行うことにより寝たきりを防いだり、感染症の予防を図ることができます。
手術後は、回復期リハビリテーション病棟へ転棟し、リハビリテーションを行うため平均術後日数が長くなる傾向にあります。