回復期リハビリテーション病棟

回復期リハビリテーションとは

 市立恵那病院では、平成26年9月1日より回復期リハビリテーション病棟を開設しました。
 回復期とは、脳血管疾患や、大腿骨頸部骨折、脊椎・骨盤骨折、その他の病気を患い、急性期治療を終えて症状が安定し始めた状態をいいます。
 回復期リハビリテーション病棟では、自然回復を促す環境をつくり、多職種の医療専門職がチームとなりリハビリテーションを進めていくことで、寝たきり等を防止し、在宅生活に復帰することを目指します。

回復期リハビリチーム職種

  • 医師
  • 看護師
  • 理学療法士(PT)
  • 作業療法士(OT)
  • 言語聴覚士(ST)
  • 薬剤師
  • 管理栄養士
  • 介護福祉士
  • ソーシャルワーカー(MSW)
  • その他必要に応じたスタッフ

回復期リハビリテーション病棟 
対象疾患及び入院期間

対象疾患 発症から 入院期限
の上限
脳血管疾患 脊髄損傷 頭部外傷 くも膜下出血のシャント手術後
脳腫瘍 脳炎 急性脳症 脊髄炎多発性神経炎 多発性硬化症
腕神経叢損傷等の発症後もしくは手術後
発症または
手術後2ヶ月以内
150日
高次機能障害を伴った重症脳血管障害
重度の脊椎損傷 頭部外傷を含む多部位外傷の発症または
手術後の状態
発症または
手術後2ヶ月以内
180日
大腿骨 骨盤 脊椎 股関節もしくは膝関節の骨折または
2肢以上の多発骨折の発症後または手術後の状態
発症または
手術後2ヶ月以内
90日
外科手術または肺炎等の治療時の安静により廃用症候群を有しており、手術後又は発症後の状態 発症または
手術後2ヶ月以内
90日
大腿骨 骨盤 脊椎 股関節又は膝関節の神経筋又は靭帯損傷後の状態 損傷後1ヶ月以内 60日
股関節又は膝関節の置換術後の状態 損傷後1ヶ月以内 90日

入院〜退院の流れについて

入院・転棟〜退院までの一般的な流れは、以下の様に進められていきます。患者さまやご家族さまが不安を抱いたままの退院にならないよう、チーム全体でサポートしていきます。

  1. リハビリ開始

    PT、OT、STのリハビリが開始となります。

    • 病棟リハ開始:リハビリの進行状況に合わせ病棟リハが開始します。
    • リハビリ見学:ご家族さまにリハビリ見学を勧めさせていただきます。
      (見学はいつでも可能です)
  2. MSWの介入

    介護保険などの社会保障制度の申請や利用に対する説明をし、各制度の申請を進めさせていただきます。また、自宅以外の施設に退院の場合はMSWから各施設の情報提供をさせていただき、施設の申し込みを進めさせていただきます。

  3. 退院調整

    リハビリがゴール(目標達成)となり退院調整を進めます。

    • 退院先の決定
      患者さまやご家族さまが決定された事に、主治医や病棟スタッフ、リハビリ、MSWが共に協力・支援していきます。
  4. 栄養指導

    患者さまの治療食や形態に合わせて管理栄養士からご家族さまに栄養指導を行います。

  5. 家屋評価

    担当ケアマネージャーが決定後、ご自宅への退院準備として、PT・OTが同行し自宅へ伺います。例として、その際、ケアマネージャー、福祉用具担当者、工事担当者も自宅へ訪問し、退院の際に必要な福祉用具の選定、手すりの取り付け場所などの検討を行います。

  6. 試験外出・外泊

    入院前と環境が変わるため、家での生活環境を確かめ、自信を持っていただくために行います。

  7. 退院前
    カンファレンス

    必要に応じ、患者さまやご家族さま、ケアマネージャー、福祉用具担当者、退院後に利用予定の事業所の担当者、医師、リハビリスタッフ、看護師、MSWが参加し、退院後の生活設計を計画します。

退院

提供する医療サービス

リハビリテーション(理学療法・作業療法・言語療法)

  • 理学療法
    • 起き上がりなどの動作訓練
    • 歩行訓練
    • 補助具・装具の検討
    理学療法 一例 一例
  • 作業療法
    • 上肢機能回復訓練
    • 日常生活活動訓練(食事・入浴・更衣など)
    • 日常生活関連活動訓練(食事・趣味活動など)
    作業療法 一例 一例
  • 言語療法
    • 嚥下訓練
    • 言語訓練
    • 高次脳機能訓練
    言語療法 一例 一例

回復期リハビリテーション病棟での1日の流れ

  • 6:00
    起床・洗面・着替え
  • 7:00
    食堂へ移動
  • 7:30
    朝食・歯磨き
  • 9:15〜11:00
    入浴、リハビリテーション
  • 11:30
    食堂へ移動
  • 12:00
    昼食
  • 12:30
    歯磨き
  •  
  • 13:30
    入浴、リハビリテーション
  • 14:00
    レクリエーション
  • 17:00
    食堂へ移動
  • 18:00
    夕食、歯磨き
  • 18:30
    着替え
  • 〜21:00
    フリータイム
  • 21:00
    就寝

回復期リハビリテーション病棟概要

病室 病床数 主な設備
4人部屋 36床 テレビ・床頭台・冷蔵庫
1人部屋 1床 テレビ・床頭台・冷蔵庫
有料個室
4,000円(税別)/日
6床 テレビ・床頭台・冷蔵庫
単独空調・小机・椅子

ご家族さまへのお願い

 患者さまが一生懸命にリハビリに向かえるには家族のご協力とご理解と励ましの言葉が一番大切です。
 出来る限りの身の回りのことは訓練として患者さまに行っていただきますが、患者さまの状況に応じて出来ることと出来ない事がありますので担当看護師にお伝えください。
 面会時には、散髪・買い物・ベッド周りの整理整頓・爪切り・耳掃除など気にかけて下さい。 ご家族さまには患者さまの一日の生活の状況(リハビリを含む)を見ていただき、自宅に戻られてからどのような生活となるのか看護師やリハビリスタッフと情報交換しあい、相談していきたいと考えております。 また、家族会議なども出来る限りご参加ください。外出・外泊についても訓練の一環と考えて退院までの間に何度か行っています。 外出・外泊時の患者さまの様子をもとに家屋改修や訓練に役立てていきます。
 その他、ご不明・ご心配な点等ございましたらお気軽にリハビリチームスタッフにご相談ください。