市立恵那病院 産婦人科への支援体制

産科医不足と言われる中、私たちが考える 新しい産科医療

昨今の産婦人科医不足の原因として、一番に考えられるのは、深夜の呼び出しが多い過酷な労働環境によって、勤務医が疲弊して離職してしまうことです。地域の開業医の先生方は、高齢になると体力に限界を感じ、閉院してしまいます。また、他科よりも医療訴訟のリスクが高いこと、女性医師が多い科にも関わらず、育児期の就労サポートが整っていないことなども挙げられます。そのような実情を医学生が知れば、産婦人科を敬遠するのは当然で、若手医師の育成が進んでいません。さらに問題視されているのが、次世代の医師を育てる「卒後臨床研修制度」において、産婦人科が必須科目になっていないことです。新規産婦人科専攻医の数は、2010年度をピークに減少に転じていますが、2010年と言えば、卒後臨床研修制度が見直され、産婦人科が必須科目から選択必修科目になった時期です。これによって、一度も産婦人科医療に触れないまま専攻を決める研修医が増えてしまいました。以上のような背景から、産婦人科医の減少を食い止めるには、これまでにない新しい視点で、打開策を考える必要があるのです。

  • 卒後臨床研修制度01
  • 卒後臨床研修制度02
  • 卒後臨床研修制度03

新しい視点での「産婦人科医療」への取り組み

総合診療+産婦人科

公益社団法人 地域医療振興協会総合診療産婦人科
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公益社団法人 地域医療振興協会
								総合診療産婦人科養成センター センター長 伊藤 雄二

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産婦人科に興味のある、総合診療医・研修医の方へ

総合診療産婦人科養成センターでは、妊婦健診や分娩管理はもちろん、女性の生涯にわたる健康管理を学べる研修体制を構築します。乳がんや子宮がんなどの婦人科領域、思春期・更年期特有のヘルスケア、月経異常、性感染症、性教育に至るまで、学びたいニーズに合わせて柔軟にプログラムを組ませていただきます。研修期間に関しても、3ヶ月~半年の短期的なものから、1年以上の長期的なものまで、幅広く対応していきたいと考えています。まずは、あなたが目指したい医師像について、じっくりお話を聞かせてください。また、2017年度から養成がはじまる「総合診療専門医」の教育プログラムも、当センターとタイアップした内容を用意しました。産婦人科は特殊な科と捉えられがちですが、いつの時代も患者さんの半分は女性です。総合診療を志す研修医の皆さんが、私たちの仲間に加わってくれることを心からお待ちしています。